すきなものをすきなときに
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自分が特別、冷たい人間のような気がする
一樹君へ
一樹君はみんなと違うんだと思ってた。
皆と違って、私のこと無視したりしなかったし。
でも、結局みんなと同じだったんだ。
本当は、私の胸のアザのこと気持ち悪いと思っていたんだよね。
すごく悲しかった。今まで優しくしてくれてありがとう
さよなら
一樹君はみんなと違うんだと思ってた。
皆と違って、私のこと無視したりしなかったし。
でも、結局みんなと同じだったんだ。
本当は、私の胸のアザのこと気持ち悪いと思っていたんだよね。
すごく悲しかった。今まで優しくしてくれてありがとう
さよなら
5 一樹守を取り囲む環境と干渉
学校は相変わらずだ。特に何も変わらない。
いつものクラス、いつものメンバー、いつもの日常。
でもあの件以来、あの女子グループに関してだけは私につっかかる事は無くなった。平和になる一旦が増えたと思えば喜ばしい事だ。
一樹君も前と変わらず私に話しかけてくれる。
“『俺も、クラスの奴らと同じ風に池田の事考えてる?』
”ああそうだ、一樹君だけは――――…”
あの日の会話を思い出す。
そうだ、一樹君がどんな風に思っているかは私が一番知っているはずだったのに。
ただ、一樹君はそれを口に出したりしないというだけのことだったのだ。
それはやはり彼の優しい無神経さで、私はいつもそれに救われていたんだ。
はっきりとそう自覚すると、なんだか心の奥底から温かいものがジワジワとこみあげてくるのがわかる。
「あれ?池田?」
一樹君が驚いた声を出す。なんだか恥ずかしい。
ボサボサに伸ばしたい放題だった私の針金のような髪をようやく美容院で切ってきた。美容院の会話は苦手だったけど美容師さんの腕もありなんとか前程見苦しくは無くなっている。目の前を隠すようにしていた前髪も切られ、すっかり視界が広くなってしまった。
〈へえ、池田ってほとんど髪で隠れてたけど、こんな顔してたんだな〉
一樹君の心の声がこちらに流れてくる。顔に熱がこもるのがわかる。
続いて流れてくる一樹君の声にさらに熱が上がった。
〈こっちの髪の方が似合ってるし可愛いな〉
「こっちの髪の方が…」
「えーーーーーーーーッ」
口に出して言おうとする一樹君の言葉をさえぎる。あまりの事に、そしてそれをごく自然に伝えようとする一樹君の事実に、思わず勢いをつけて立ちあがってしまった。ポカンとしている一樹君の顔。私は慌てて椅子に座りなおした。
-------------------------------------------------------------------------
変わっていく麻衣ちゃん
--------------------------------------------------------------------------
6わたしは
隣の一樹君は雑誌を熱心に読んでいる。そっと覗いてみても、気が付いていないのかあまり気にしていないのかページから目を離さない。
表紙には「マヤ文明・古代から蘇る真実の予言!」「戦慄!××村33人殺し」「皆といこうツチノコツアー」等の文字が躍っている。
「一樹君、こういう本好きなんだ」
「こういうのさ、」
「うん」
「デマだとか、馬鹿馬鹿しいだとか、そういう風に言う奴もいるけど、俺はそういう風は思わない。例えばそれが真実じゃないとしても、一つの仮定の読み物として楽しむっていうかさ、提供する側も楽しませようとしてる姿勢がわかるっていうか、上手く言えないけど」
うん、と私は頷く。
「自分の枕もとにプレゼントを置いてくれた正体はサンタクロースじゃなくて親だったっていつか知るけどさ、でもそれは凄く楽しくて嬉しくて優しい嘘でさ」
うん、そうだね、そうだよね。一樹君はずっと優しい嘘を私に、そう今も、ついてくれているね。
「ツチノコも宇宙人もそんなものいないんだって言ったらそこで終わりだけど、もしかしたらいるかもしれないって思う方が楽しいなって」
少し前の私だったら、こんな唯の子供だましの、気休めにしか過ぎない夢見がちな言葉は大嫌いだった。だってそれは本心じゃないって知ってるから。口から出る言葉は、自分を綺麗に見せるだけの上辺だけの体裁のいい文字列なだけで、本当の心がどんな事を言っているのか私にはわかるから。でも、一樹君は違うんだって事がわかる。だって口に出す言葉と、私の頭に直接漏れ聞こえてくる言葉がずっと一緒だから。
だから初めて、今まで出来なかった「普通の中学生の普段の会話」が私はやっとできる。一樹君に私も笑って「そうだね」って言わないといけない。なのに、なんだか、ずっとさっきから胸が詰まるように熱くってぎゅうっとしていて上手く返事ができない。足元がふわふわしてる。その上涙が出てきそうになる。胸からじんわりと伝わってきたそれは、今は全身を覆って熱を帯び始めていた。
それは一樹君のいつもの優しい嘘なのかそれとも天然で気が付いていないだけなのか、その時ばかりはわからなかったけれど、私が相槌を打たずじっと黙りこんでいるのに構わず話し続けている。
「ミステリー研究会っていう部活…ていうか部員は俺と先輩の二人だから部活として認められてないんだけど、池田も良かったら来てみる?」
「え、あの、」
胸が熱い。
「見学だけでもいいからさ、でも」
でも。
同時に一樹君の心の声が私の頭に流れ込んでくる。
《でも、池田が本当に部活に入ってくれると嬉しいな》
胸が熱い。視界がぼやける。ふわふわする。
私は生まれて初めて、相手の心が読めて良かった そう思った
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ミス研の先輩(オリジナル)と、一樹と麻衣ちゃんで放課後集まって段々仲良くなっていくの
先輩(ホラーオカルト好き)と一樹(UMA・超現象・宇宙好き)はたびたび衝突
他人の気持ちが読める特殊な能力を持った、苛められっ子の麻衣ちゃんが、普通の中学生としての居場所をみつけていくのそこが彼女の休息
一樹麻衣ちゃんのオリジナル過去話がお蔵りになった一番の理由は「麻衣ちゃんが一樹の発した何気ない一言」で
自殺未遂っていう一番重要なファクターが思いつかなかったからである
自分設定
・鳩の因子の影響の為(胸のアザ)、他人の気持ちを読める(意図的にではなく自然と相手から漏れ出て伝わってくる・調節できない)麻衣ちゃんは「相手の気持ちが完全にわかる」という意識が高かった
・そこに一樹が言った一言を全く違う方向に解釈してしまい、「一樹君もみんなと一緒だった」と勘違いしてしまう 私は他人の隠された気持ちがわかるんだと思っている麻衣ちゃんはそれが勘違いだと気付けない悲劇
・一樹は麻衣ちゃんのアザを気持ち悪いと思った事は無い。大切な友人だと思っていた。
この方向で上手く物語が作れたら…と思っていたけどどうしてもその一言が思いつかなかった
麻衣ちゃんのさあ…手紙の文面さあ…一樹のトラウマにもなるよね…うわあ
学校は相変わらずだ。特に何も変わらない。
いつものクラス、いつものメンバー、いつもの日常。
でもあの件以来、あの女子グループに関してだけは私につっかかる事は無くなった。平和になる一旦が増えたと思えば喜ばしい事だ。
一樹君も前と変わらず私に話しかけてくれる。
“『俺も、クラスの奴らと同じ風に池田の事考えてる?』
”ああそうだ、一樹君だけは――――…”
あの日の会話を思い出す。
そうだ、一樹君がどんな風に思っているかは私が一番知っているはずだったのに。
ただ、一樹君はそれを口に出したりしないというだけのことだったのだ。
それはやはり彼の優しい無神経さで、私はいつもそれに救われていたんだ。
はっきりとそう自覚すると、なんだか心の奥底から温かいものがジワジワとこみあげてくるのがわかる。
「あれ?池田?」
一樹君が驚いた声を出す。なんだか恥ずかしい。
ボサボサに伸ばしたい放題だった私の針金のような髪をようやく美容院で切ってきた。美容院の会話は苦手だったけど美容師さんの腕もありなんとか前程見苦しくは無くなっている。目の前を隠すようにしていた前髪も切られ、すっかり視界が広くなってしまった。
〈へえ、池田ってほとんど髪で隠れてたけど、こんな顔してたんだな〉
一樹君の心の声がこちらに流れてくる。顔に熱がこもるのがわかる。
続いて流れてくる一樹君の声にさらに熱が上がった。
〈こっちの髪の方が似合ってるし可愛いな〉
「こっちの髪の方が…」
「えーーーーーーーーッ」
口に出して言おうとする一樹君の言葉をさえぎる。あまりの事に、そしてそれをごく自然に伝えようとする一樹君の事実に、思わず勢いをつけて立ちあがってしまった。ポカンとしている一樹君の顔。私は慌てて椅子に座りなおした。
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変わっていく麻衣ちゃん
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6わたしは
隣の一樹君は雑誌を熱心に読んでいる。そっと覗いてみても、気が付いていないのかあまり気にしていないのかページから目を離さない。
表紙には「マヤ文明・古代から蘇る真実の予言!」「戦慄!××村33人殺し」「皆といこうツチノコツアー」等の文字が躍っている。
「一樹君、こういう本好きなんだ」
「こういうのさ、」
「うん」
「デマだとか、馬鹿馬鹿しいだとか、そういう風に言う奴もいるけど、俺はそういう風は思わない。例えばそれが真実じゃないとしても、一つの仮定の読み物として楽しむっていうかさ、提供する側も楽しませようとしてる姿勢がわかるっていうか、上手く言えないけど」
うん、と私は頷く。
「自分の枕もとにプレゼントを置いてくれた正体はサンタクロースじゃなくて親だったっていつか知るけどさ、でもそれは凄く楽しくて嬉しくて優しい嘘でさ」
うん、そうだね、そうだよね。一樹君はずっと優しい嘘を私に、そう今も、ついてくれているね。
「ツチノコも宇宙人もそんなものいないんだって言ったらそこで終わりだけど、もしかしたらいるかもしれないって思う方が楽しいなって」
少し前の私だったら、こんな唯の子供だましの、気休めにしか過ぎない夢見がちな言葉は大嫌いだった。だってそれは本心じゃないって知ってるから。口から出る言葉は、自分を綺麗に見せるだけの上辺だけの体裁のいい文字列なだけで、本当の心がどんな事を言っているのか私にはわかるから。でも、一樹君は違うんだって事がわかる。だって口に出す言葉と、私の頭に直接漏れ聞こえてくる言葉がずっと一緒だから。
だから初めて、今まで出来なかった「普通の中学生の普段の会話」が私はやっとできる。一樹君に私も笑って「そうだね」って言わないといけない。なのに、なんだか、ずっとさっきから胸が詰まるように熱くってぎゅうっとしていて上手く返事ができない。足元がふわふわしてる。その上涙が出てきそうになる。胸からじんわりと伝わってきたそれは、今は全身を覆って熱を帯び始めていた。
それは一樹君のいつもの優しい嘘なのかそれとも天然で気が付いていないだけなのか、その時ばかりはわからなかったけれど、私が相槌を打たずじっと黙りこんでいるのに構わず話し続けている。
「ミステリー研究会っていう部活…ていうか部員は俺と先輩の二人だから部活として認められてないんだけど、池田も良かったら来てみる?」
「え、あの、」
胸が熱い。
「見学だけでもいいからさ、でも」
でも。
同時に一樹君の心の声が私の頭に流れ込んでくる。
《でも、池田が本当に部活に入ってくれると嬉しいな》
胸が熱い。視界がぼやける。ふわふわする。
私は生まれて初めて、相手の心が読めて良かった そう思った
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ミス研の先輩(オリジナル)と、一樹と麻衣ちゃんで放課後集まって段々仲良くなっていくの
先輩(ホラーオカルト好き)と一樹(UMA・超現象・宇宙好き)はたびたび衝突
他人の気持ちが読める特殊な能力を持った、苛められっ子の麻衣ちゃんが、普通の中学生としての居場所をみつけていくのそこが彼女の休息
一樹麻衣ちゃんのオリジナル過去話がお蔵りになった一番の理由は「麻衣ちゃんが一樹の発した何気ない一言」で
自殺未遂っていう一番重要なファクターが思いつかなかったからである
自分設定
・鳩の因子の影響の為(胸のアザ)、他人の気持ちを読める(意図的にではなく自然と相手から漏れ出て伝わってくる・調節できない)麻衣ちゃんは「相手の気持ちが完全にわかる」という意識が高かった
・そこに一樹が言った一言を全く違う方向に解釈してしまい、「一樹君もみんなと一緒だった」と勘違いしてしまう 私は他人の隠された気持ちがわかるんだと思っている麻衣ちゃんはそれが勘違いだと気付けない悲劇
・一樹は麻衣ちゃんのアザを気持ち悪いと思った事は無い。大切な友人だと思っていた。
この方向で上手く物語が作れたら…と思っていたけどどうしてもその一言が思いつかなかった
麻衣ちゃんのさあ…手紙の文面さあ…一樹のトラウマにもなるよね…うわあ
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